僕はエリートじゃない。
でも運命や信念はある。
Q1
松井選手のプロキャリアは25年以上。47歳のいま、テニスとどう向き合っていますか?
まずは体が資本。いままさに肘のケガを治療していますが、「自分の持ち味であるサーブ&ボレーが出来なくなったら終わりです。もう20代ではないので身体的には退化していく。でも体の使い方や食事、栄養、トレーニング、そして用具まで、「進化」させられることはたくさんある。退化を抑えて、進化を続ける。それが大事です。


Q2
ATPダブルスランキングの自己最高がつい1年前。
「46歳でキャリアハイ」を達成できた理由とは。
今までの経験の積み重ねです。25年以上プロとしてやってきて、今が一番、経験値があるわけですから(笑)。体は昔に戻りませんが、近づけられればいいパフォーマンスが出る。加えて2024年は、スポンサーをはじめ、たくさんの協力者に恵まれました。大会への遠征ができたり、トレーナーを帯同させられたり。それがポイント獲得、ランキングアップにつながりました。でも、121位は通過点で、天井ではない。50位、40位もあり得ると思っていましたから。

世界121位は通過点。
まだまだ自分の可能性を感じるからやめられない。
経験を活かして、進化を続け、そしてテニスを楽しみたいですね。
Q3
ケガをしてもなお前を向く。松井選手の現在のモチベーションを教えてください。
まだまだ自分に可能性を感じるから、やめられない。(ランキングで)自己最高を出したときに、なおさらそう感じました。若い時もいまも、テニスが上手くなりたい、強くなりたいという気持ちは変わりません。そして、今は、それに加えて、出来るだけ「楽しみたい」という気持ちも強く出てきました。テニスを楽しむ。試合を楽しむ。最後まで、楽しみたいんです。これは昔にはなかった感情かもしれません。

Q4
これまでの壁を破るには、努力以外も味方につけることが必要かもしれません。松井選手の常日頃の「心構え」とは何でしょうか?
運をコントロールできるかは分かりませんが、常に明るく、感謝を胸に生きています。体を労わる。道具を大切にする。言霊(ことだま)にも気をつける。ウィナーズスピーチでも、多くの選手が周りへの感謝を表していますよね。
僕は、プレーの成績がいいときほど、調子に乗らないように気をつけます。逆に、負けが続くときは落ち込みすぎないようにする。ただでさえ勝ち負けのジェットコースター生活をしているので、自分の価値観や世界観を大事にしています。

Q5
最後に、今後の展望を教えてください。
2026年のテーマは「One More Roar」。僕は試合中に時々吠えますし、(笑)、来年は肘のケガを治して万全な状態で挑みたい。国内やアジアでの大会を中心に出場し、全日本選手権やグランドスラムWC選手権に挑戦していきたいです。




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